学ぶってこと

今日は前職の同僚の方に手伝ってもらって、「ガラスフュージング」を行った。
活動の様子はまた明日にアップするつもりだが、今日感じたことを、忘れないうちに記しておきたい。

今日のワークショップ、工程の中で、四角いガラスを数枚重ね、電子レンジの中で加熱する。すると、ほぼ正方形のガラスが溶けて丸くなり、どら焼き状の様な形になる。上から見たらほぼ円形になる。

なかなかに面白い現象ではあるんだけれど、このことを今日の参加者に伝えた時、「えーっ、どうしてー」と子どもが新たな発見をした時の様な、驚きと喜びの混じった表情で声を出した参加者の方がいた。

この事業所を立ち上げるにあたって、「学び」の要素をいれた活動をしていきたいなって思っていた。
「学び」ってなんのため?と問われた時、試験に受かる、人から評価される、役に立つなど色々な要素あると思う。それは否定しない。
でも僕たちが考える「学び」って、第一に「おもしろい、楽しい」。それを大事に中身を作ってきて、これからもそうありたいと思っている。

ここから記すことは、あくまで、僕の見てきた狭い世界の中での、僕が感じてきたことって断った上での私見。
知的障害の人たちの教育って、身の回りのことをやれる様になる、社会に必要な読み書きをできる様になる、迷惑をかけない様になる、人の指示を聞ける様になる、会社など働くことに適応できる様になる、ってことに主眼がおかれている様に感じる。

もちろん楽しい授業づくり、体験をたくさん提供しようとしている先生や保護者の方たちもたくさんいることをわかってはいる。僕がこの仕事を始めた20年前に比べたら、各障害への理解なんかも確実に進歩している。

でも。
学校を卒業して、安定した就職先や、施設があれば、それでいいやってなってないかな。

健常者と言われてる人たちは大人になっても、どこかで「学ぶ」って機会は、ずっと持ってる。でも知的障害の人たち、大人になってから、その機会は格段に減ってしまう。

知的障害の人に「学び」って必要なの?って疑問も少なからずの人が感じているとも思う。

今日のガラスが丸くなった理由、「炉内の温度がガラスの融点を超えて液状化し、体積に対しての表面積を最小にしようとする表面張力の働きである。」といったことを理解するのは難しいかもしれない。
でも加熱したらガラスは溶ける、ってこと、実体験として感じることはできたと思う。

「えー、どうして?」って聞いてきた彼女の目。
今日作ったガラスの作品の様にキラキラしてた。

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